強い無意識リビドー

心理学

フロイトは、人間にはあらかじめ持っている本能エネルギーというものがあるとし、それを欲動とも呼びました。
今回はこの欲動について書いていきます。

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リビドーとはなにか、その分類は?

さて、もともとリビドーは欲望を意味する言葉で、ラテン語です。
なのですが、フロイトは欲動の中の性に関するものに対して、このリビドーという呼び方を用いています。

この性に関する関心、欲動は年齢と共に成長し、興味の対象も変わっていくとしています。
リビドーの発達は以下の5期に分かれるとされていますが、当然皆が皆この通りになるわけではないですし、大人になるとそこに趣味趣向なんかも含まれるようになってくるので、あくまでも目安です。

口唇期

0歳~18ヶ月。
口唇、口を使うこと。
口から授乳を受けることをリビドーとします。
授乳の終了をきっかけに終了していきます。

肛門期

1~3歳。
排泄をするという行為そのものにリビドーを感じます。
トレーニングによって徐々に排泄コントロールを覚えていくことで終了していきます。

男根期

3~6歳。
自分の性器に対してリビドーを感じ始めます。
異性に関心を持ち始め、同性に対して嫌悪感や憎しみなどの感情を持つようにもなります。
子供の頃に幼稚園や学校の先生などを好きになったりするのもこの影響でしょうかね。

潜伏期

6~12歳。
一時的にリビドーが抑圧される時期です。
好きな人がいるという当たり前のことに過剰に反応したりする、小学生とか中学生ぐらいでよく見る典型的なアレです。

性器期

生殖が目的となってきて、性対象を求めるようになります。

ついでにエロスとタナトスも

フロイトは他にも欲動があるとしています。
代表例としては、エロスとタナトスです。

ここで言うエロスとは俗に言われるのとは違い、人が生きようとする欲動のことを言います。
愛、創造、食欲、性的欲望なんかがこれに含まれるようです。

一方のタナトスは、死へ向かう欲動や破壊的本能のことで、これが行き過ぎると自殺や殺人、暴力事件なんかに発展してしまう可能性があります。

これらは双方、ギリシャ神話を語源としているようです。
人間の感情や行動はあらゆることが表裏一体であることは周知の事実ですが、エロスとタナトスはその中でも最も近くて最も遠い表裏一体のように思えますね。

固着と退行

リビドーはそれぞれの段階でバランス良く満たされることが大事です。
バランスが取れていればスムーズに次の段階に移行していけます。

ただ、バランスが取れていなかったり、なんらかのショックを受けると逆戻りすることもあります。
バランスが取れなかった場合を固着、ショックを受けた場合を退行と言います。

それまで何ともなかった人が、指をしゃぶるようになったりするのは幼児退行などとも呼ばれます。これは口唇期に退行してしまっている状態と言えます。

これらは放っておいて悪化してしまうと神経症の症状が現れてしまうこともあるので、注意が必要です。

まとめ

成人した後の性的な趣味趣向は、一概に全てをそうであると定義はできませんが、少なからず固着や退行が影響していると考えられます。
社会的に地位の高い人に変わった趣向の人が多いと言われますが、それは通常の性行為に飽きたからだけでなく、強いストレスが影響した結果として退行が起きているのかも知れません。

リビドーは強い力を持っています。
上手くバランスを取ってプラスに使うことが出来れば良い味方となるでしょうね。

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