距離感って非常に大事ですよね。
心理学的にパーソナルスペースと呼ばれるこの距離感は、上手く使えば「人間関係を進展させる」ことができます。
ただ、進展と言っても「良くも悪くも」ですから、しっかりと理解しておかないと嫌われてしまいます。
特に人付き合いに関しては非常に重要な要素です。
パーソナルスペースをマスターして、良好な人間関係構築に活かしましょう。
パーソナルスペースとは
先述の通り、人と人にはそれぞれの関係性に基づいた「適度、適正な距離」というものが存在します。
このパーソナルスペースですが、これは人間の無意識下に行われている「縄張り意識」が原因となる、心の作用です。
この縄張り意識は、その相手との親密度によって変わってきます。
動物よりは脳が発達しており、理性というものを持つようになった我々人間も、脳の構造的には当然昔ながらの部分が多く残っているので、このような作用が起こることも至極当然と言えますね。
理性があるため、直接的な攻撃行動にはなかなか移りませんが、「不快感」や「嫌悪感」を感じてしまうわけですね。
このパーソナルスペース。
その距離に応じて、現在の自分と相手との心理的な親密度を図ることもできます。
では実際にはどのようにこれを活用していけば良いか、具体的な距離とその心理状態を踏まえたうえで書いていきましょう。
それぞれの距離には近接相と遠方相が存在し、大別した4種類とこれを合わせて、おおよそ8種類の距離でこれを表します。
公衆距離
これは見ず知らずの人に対してとる距離です。
近接相は360~750cm。
簡単な受け答えを主として使う距離です。個人的な関係を築くにはなかなか難しい距離です。
遠方相は750cm~。
身振り手振りでのコミュニケーションが主体となり、言葉の細かなニュアンスなどはなかなか伝わりにくい距離で、公演や演説などで使われる距離でもあります。
社会距離
これは仕事相手などに対してとる距離です。
近接相は120~210cm。
微妙な表情の変化を読み取ることはまだ難しい距離です。
120cmならギリギリ届くかもしれませんが、基本的にはダルシムやルフィでもない限り、相手の体に触れることもできない距離です。
上司や同僚など、仕事仲間と過ごすのに最適な距離と言われています。
遠方相は210~360cm。
当然、身体の接触は不可能。
拳銃や長刀などでも持っていない限り、まず相手に何かされる事はないので、安心感を持つことのできる距離でもあります。
全体的な姿を見ることもでき、オフィシャルな場で用いられることがメインの距離です。
個人距離
これは友人や知人に対してとる距離です。
近接相は45~75cm。
夫婦や恋人など、自身にとって特別な存在でないものがこの距離まで踏み込むと気持ちを勘違いされやすい距離。
手を伸ばすだけで相手をどうにかできる距離のため、不安感を覚える距離でもあります。
そのため、あまり下手にここより踏み込むと相手は警戒心を強め、嫌悪感すら抱いてしまいますので注意が必要です。
遠方相は75~120cm。
互いに手を伸ばせば届く距離です。
個人的な要望や要件を伝えるためにギリギリの距離でもあります。
密接距離
これは家族や恋人、親友などの特別な存在にしか本来許されない距離です。
近接相は0~15cm。
息遣いや体温まで伝わる、特別な距離。
身体同士でのコミュニケーションが主体となります。
この距離に特別でない人が踏み込もうものなら、一瞬でATフィールドが全開になりますので注意が必要です。
遠方相は15~45cm。
近接相ほどではありませんが、ここも見ず知らずの人間が入ってくると違和感やストレスを感じる距離です。
親しい人でなければ立ち入らない方が無難です。
実生活で考えてみる
パーソナルスペースは以上の様に大別されます。
実生活においても、これを上手く利用することができれば、無用な争いの種を生むことも少なくできますし、相手を勘違いさせることもできるようになります。
代表的なところでは、キャバクラなどのキャストの人がこれについて熟知しています。
人気のある人ほどこの距離感の取り方が絶妙です。
だから何も知らなければあっという間に勘違いしてしまい、その人の虜になってしまうでしょう。これを知らずに、生来の感覚、感性で行える人は魔性の女なのでしょうね。
会社などでも同僚に対して異常に距離を詰めていたりしていませんか?
それまであなたのことを嫌いでなくても、その1回のパーソナルスペースの間違いで「あいつ嫌い」になってしまいますよ。
まとめ
どうでしたか?
パーソナルスペースという言葉を聞いたことはあっても、あまり意識して生活に取り入れている人は少ないのではないでしょうか?
無意識的な嫌悪感を相手に与えることは、当然ストレスとして認識され蓄積されていきます。
無用な争いや勘違いからのトラブルを避けるためにも、適度な距離感を意識して生活に役立ててほしいものです。