fxの損切りとは?向き合い方やルール作成のポイントなどを解説

FX
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fxに限らず、株においても勝つために絶対に身に付けておく必要がある技術、というか考え方が「損切り(ロスカット)」です。

これが出来ない人は遅かれ早かれ相場から退場、サヨウナラ待ったなし。
ということで、この記事では

「損切りってどうすれば良いの?」
「大切だと分かっていても損切りできない」
「損切りのコツってないのかな?」

といったfxにおける損切りに関する疑問や悩みを網羅的に解説していきます。

これを読めばfxの損切りに対する知識、考え方がバッチリ身に付きますよ。

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fxの損切りとは?

損切りというのは「それ以上の損失を避けるために、今の損を確定する行為のこと。

簡単な例を出すと。
1米ドル100円の時、円を売って米ドルを買います。

この時、円安になって1米ドル=110円になればアナタの勝ち。
このタイミングで米ドルを売れば110円貰えるわけですからね。

ですが、1米ドル=90円になった場合はアナタの負けですね。
この負けになった状況で、これ以上の損失を生まないために今の損を確定する。

これが損切りです。

これは人間の脳の作り、心理学などでもハッキリと証明されていることですが、人間は損を確定する、いわば「損を受け入れることが極端に苦手」です。

人間に本能レベルで組み込まれているシステムなので、これに抗って損切りをすることは困難で、最初の内はかなりの苦痛も伴います。

ですが、損切りが出来ないとfxや株でトータル的なプラスを残すことは非常に難しい。

トータルでのプラスを目指すなら、避けて通ることの出来ない茨の道、それがfxにおける損切りであると認識してください。

損切りをしないとどうなる?

よく言われるのが「いつかは値段が戻ってくる」というもの。
これは確かにそうです。

例えば米ドルを買って、みるみる内に円高が進んだとしても、従来の米ドルと円のパワーバランスで考えれば、かなりの高確率で円安方向に戻ってきます。

ですが、これはあくまでも戻ってくる可能性が高いだけで、100%ではありません。

そしていつか戻ってくる。
のいつかは、本当にいつになるか誰にも分かりません。

レバレッジを掛けずに、外貨預金の代わりとして持っておくなら損切りをしない選択肢は十分にアリですが、トレードで利益を出したいなら「いつか」を待つことはご法度です。

元々資産があり、どれだけマイナスが膨らんでも後からジャブジャブ口座に新たな資金を投入できるなら損切りなんてしないでも良いでしょう。

ですが、多くの場合はそんな資金は持っていないはず。

損失が膨らんで追加で資金が投入できない場合は強制決済(強制ロスカット)や、追証(追加でお金を口座に入金すること)になり、これに対応出来ないと口座凍結、退場になります。

退場になるならまだマシ

fxや株で退場になり、そこでキッパリと止められる場合は特に問題ありません。
もともと余裕資金で行っていたはずですから、それが無くなるだけで生活に支障はないはず。

ですが、最も質が悪いパターンで「借金」をしてまで相場を続けようとする人も少なからずいます。

fxや株はゼロサムゲームですし、パチンコや公営ギャンブルとは違います。
ですが、相場で勝てない人の脳はギャンブルをしている時と非常に近い動きをすることも事実。

そのため勝てない人ほど中毒になりやすく、勝てないのに続けてしまうという泥沼に陥ってしまう可能性が高いのです。

また、少額の負けであれば人間は受け入れることが比較的容易。
ですが、損失の額が大きくなればなるほど受け入れが難しくなり、無謀な勝負にチャレンジしてしまう可能性が高くなってしまう。

そうした面から見ても、細かい損切りはトータル的なプラスを目指すなら必須の考え方、手法だと言えます。

損切りができないのはなぜ?

先の項目と重複しますが、損切りが出来ないのはアナタが特別劣っているからではありません。

そもそもの損失回避は人間の本能に植え付けられた脳のシステム。
トレーニングして抑え込まなければ誰もがこれにハマってしまうのです。

プロスペクト理論の記事でこれに関しては実例を交えて詳しく解説していますので、そちらを参考にしてください。

プロスペクト理論を知り本当の損を回避する
プロスペクト理論を学術的なメンドクサイ話は抜いて、出来るだけ簡単に解説。 FXや株を始めとして、本質的な損をしないようにするには、このプロスペクト理論をしっかりと理解しておく必要があります。

損切り貧乏は怖くない

損切り貧乏なんて言葉があります。

これは細かく損切りばっかりして、細かなマイナスが積み重なって結局貧乏になってしまう。
という意味ですが、正直なところ損切り貧乏は怖くありません。

損切りラインをアホみたいに広く設定している場合はダメですが、早い損切りで積み重なるマイナスは本来かなり微々たる金額のはずです。

10回のトレードで9回千円づつ負けて9千円負けたとしても、1回1万円以上勝てればトータルではプラスになります。

コツコツ負けたものを一撃で取り返すことは案外簡単です。
ですが、損切りがちゃんと出来ない人はコツコツ勝ってドカンと負けるのが常。

頭のどっかで勝率を気にしたり、ちょっとカッコイイトレードなんてものを思い描くから結局損切りに踏み切れず、ボロ負けしてしまう。

fxにしろ株にしろ、TwitterなどのSNSでは「何億勝った、負けた」なんて派手な話も目にしますが、正直あれはトレーダーじゃなくてただの博徒です。

アナタが博打をしたいなら止めはしませんが、身の破滅と隣り合わせであることは認識しておいてください。

損切り貧乏が怖い、なんかカッコ悪いから嫌だ。
そんな風に思っている間は、トレードではなく博打をしていると思いましょう。

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損切りのコツは?

損切りのコツ、ポイントは人それぞれ少しづつ違います。
これはその人が何を指標にしてトレードをしているか、資金量やトレードスタンスなどで変わってくるからです。

その中で、私の損切りのコツ、ポイントを紹介します。
あくまでも私のやり方であって、これで絶対に勝てるようになる、といったものではありません。

1つの参考意見として捉え、これらをベースにして自分なりの損切りのコツ、ポイントを見つけるようにしてください。

損切りルールの作成と遵守

損切りのコツとして一番大切なのは「ルールを作り、それを遵守する」ことです。

損切りラインを考えずにポジションを建て、成り行き任せ、その場のノリで損切りラインを決定するなんてやり方は絶対にNG。

エントリーポイント(新規でポジションを建てる値段)は正直どこでも良いです。

チャートの分析や各種指標をしっかりと勉強し、そこからリスクを考える必要はあります。
それによって勝率が変わってくるのも事実です。

ですが、それらは絶対に100%にはなりません。
どんなに研究しても未来を予知できる人間は存在しない。

大事なのはポジションを建てた後のストーリーを可能な限り考え、その中から最悪の場合を想定して予め損切りラインを設定し、そのラインを死んでも守ることです。

1回のトレードにおける損切ラインの金額

これは個人差がありますが、私は「トレードに使える総資金の2%」を1回のトレードにおける損切りラインの限界点として設定しています。

100万円なら2万円。
10万円なら2千円ですね。

1%だと損切があまりに多くなりますし、5%まで上げると損失が大きすぎる。
なんやかんやでたどり着いたのが2%というライン。

ただ、これは最初に書いたように個人差が大きいです。
もっとポジションを建てるのが上手い人なら損切りラインを下げても良いですし、勝っても負けてもデカく行きたいなら上げるべきでしょう。

現状で損切ラインの設定に迷っている人は、一度2%でやってみてはいかがでしょうか?

損切りを時間で行うのもアリ

ここまでは損切ラインを金額で設定してきましたが、時間で損切りをするという手もあります。

新規でポジションを建て、1時間経った時に負けていればそこで決済。
時間に関してはトレードをする時間帯などを含めて、アナタに合ったものを探しましょう。

決めた時間で絶対に決済するクセを付ければ、それはそれでちゃんとした損切ラインとして機能していると言えます。

あえて損切りをしないという手法

ここまで損切は絶対に必要、出来なければ退場である。
と書き続けてきて恐縮ですが、あえて損切りをしないトレードもあります。

あくまでも限られた条件を満たした場合の話で、基本的には損切りが超絶大事であることに変わりはありません。

損切りをしないで良いと考えられる条件は

・そもそも大金持ち
・外貨預金の代わり
・米ドル建てしかしない

そもそも大金持ちなら、どんだけ損が膨らんでもいくらでも資金を追加出来ますから、元の水準ないし利益が出るまで待ち続けることが出来ます。

まぁ、その間資金が凍りつくので個人的にはどうかと思いますが。

外貨預金の代わりなら、基本的に損切りという考えがありません。
商品にもよりますが、外貨預金を外貨預金口座で行えば、基本的には1~3年間は保有することになりますからね。

円を売ってドルを買う場合は損切りをしないというのもアリです。
が、あくまでもレバレッジを掛けないことが条件。

また、あまりに円高の時はダメです。
過去10年ぐらいの値動きを見て、比較的円安水準にいる時にポジションを建てることも条件になります。

基本的に世界の通貨で米ドルが最強です。
一時的なポイントで区切れば別ですが、最終的には米ドルが勝つ可能性が極めて高い。

さらに穿った見方をすれば、米ドルがコケたら日本円もユーロも、世界中の通貨がコケるし、そもそもfxがどうとか言ってる状況じゃなくなります。

つまり米ドルという最強通貨だからこそ、損切りをしないという暴挙も絶対的な愚策ではなくなるわけです。

間違っても他の通貨、もっと言えば途上国や新興国の通貨で損切りしないなんて馬鹿なマネはやめてください。

まとめ

損切りは最初の内は苦痛だと思います。
ただ、勝てるようになると全く気にならなくなることも事実です。

その状態にするには、苦痛に負けずに訓練し、ある意味で脳を麻痺させる必要があります。

正常な人間心理の1つをコントロール出来るようになる。
これが損切りを出来るようになるということです。

・損切りは技術、訓練が必要
・損切り貧乏は勝つための第一歩
・損切りはルールで行い、遵守する

この3つのポイントをしっかりと頭に置いて損切りを行えるようになれば、トータルでのプラスを出すための8~9割が既に完了したと言って過言ではありません。

相場から退場、最悪人生から退場しないように、損切りをしっかりとマスターしてください。

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