fxに限らず、勝負事をしていると「勝率」というものが気になるものです。
ですが、fxや株などでは、この勝率ばかりに目を奪われると痛い目に合う場合がほとんど。
・であれば、一体なにを気にすれば良いのか?
この記事ではこうした部分を中心に、勝率という魔物に関して書いていきます。
fxに勝率は関係ない
結論から言ってしまえば、fxで一番大事なのは「トータルリターン」です。
最終的に元金より1円でも増えているか否か。
fxや株など、お金のやり取りをするゲームにおいてこれ以外の答えはありません。
で、このトータルリターンと勝率はイコールではない、むしろ乖離することも多いです。
単純な例を出して考えてみます。
勝率は90%
1回の取引で平均100円勝つ
Aさんは10回トレードをして1回しか負けませんが、その1回で2,000円負けた場合はトータルリターンは1,100円のマイナスです。
Bさんの場合
勝率は10%
1回の取引で平均100円負ける
Bさんは10回トレードをして1回しか勝てませんが、その1回で2,000円勝った場合のトータルリターンは1,100円のプラス。
まぁ、これは少々乱暴な例ですが、勝率の高さがイコールでトータルリターンにならないことは分かってもらえると思います。
勝率の高い低いではなく、トータルリターンがプラスになるようにトレード計画を立てる。
これがfxや株において最も重要な要素です。
勝率を気にし過ぎると悪影響満載
勝率を気にし過ぎると、「少しでもプラス収支になったらスグに利確しよう」と思うようになります。
1円でも負ければ大事にしている勝率が下がってしまいますからね。
ですが、そこからさらに利益が伸びる可能性が51%ある場合でも、勝率を守るために利確するのは正しい判断と言えるでしょうか?
答えはNO。
利益が伸びる可能性が50%を超えているなら、貪欲に利益を伸ばしていく方にベットするべき。
これが出来なければfxや株で勝てる様には絶対になりません。
先にも書いたように、大事なのは勝率ではなくトータルリターン。
勝率がいくら下がっても、利益が伸びる可能性が50%を超えていればポジションを離すべきではありません。
よく言う「損小利大」です。
さらに、人間の脳はそもそも損失を回避するように出来ています。
これは「プロスペクト理論」で詳しく解説しますが、勝率を気にし過ぎると、お金以外の失いたくないモノに勝率が加わってしまうのです。
勝率は実益をなにも与えてはくれません。
くれるのは安い自己満足だけですよ。
最悪、詐欺に引っかかる
世の中には「勝率90%のfx投資法」みたいな謳い文句で、セミナーや情報商材を売っている人をよく見かけます。
これらが全てそうとは言いませんが、少なからず詐欺であると思って大丈夫です。
何度も書いていますが、勝率が高い=トータルリターンがプラスではありません。
勝率が90%でも、普通にトータルで負けている場合も。
意味のない数値ですが、90%とかはインパクトがあります。
そのため、勝率を気にしている人はこうした詐欺に引っかかる可能性が高くなってしまうのです。
そもそも、勝率を謳い文句にするなら100%でなければ嘘。
ですが犯罪するか、相場を動かせるほどの大金持ちでもなければ、相場で100%はあり得ません。
まぁ、トータルがマイナスでも勝率が高ければ良い。
なんて奇特な人は好きなだけカモになれば良いと思いますが。
それでも勝率は高いに越したことはない
と、ここまで勝率なんて関係ないと書いてきたわけですが、勝率が高いに越したことはありません。
特にfx初心者の人は勝率が高い方が良いでしょう。
これは「勝率が高い方が精神的に楽だから」というのが大きな理由です。
一定以上の経験を積み、fxや株である程度勝てる様になってからは、損小利大の大切さが身に染みて分かるので、自然と勝率を気にしなくなります。
ですが、初心者の内は少しのプラスやマイナスでドキドキするものです。
さらに、負けグセは一度付くとなかなか治りません。
そのため、初心者の内は損小利小でも良いので、勝ちグセを付けるようにした方が良いです。
勝率を気にしながら、小さなトレードをコツコツと積み上げていく。
これをする内に自分のfxでの勝ち方、トレードスタイルが見えてくるようになります。
それが見えてきたら、そのまま損小利小を続けるか、損小利大に切り替えるかを決めましょう。
まとめ
初心者の間は勝率を気にしても良いですが、そんなものは早々に捨てた方が良いです。
ある程度相場に慣れるまでの心の安定、経験値を積むための保険。
fxや株における勝率=自転車の補助輪のようなもの
と思ってください。
いつまでも補助輪を付けている状態では、しっかりと遠くに行くことは出来ませんし、発展してバイクに乗る事も出来ません。
そうした補助輪をバカみたいな高額で売りつけている輩に引っかかる事のないようご注意ください。
fxにしろ株にしろ、こうした相場の世界で勝ちたければ必ず自分一人の力で立つ必要があります。